はじめに
AI開発は魔法ではありません。適切に活用しなければ、時間とコストを無駄にするだけでなく、プロジェクト全体を失敗に導くこともあります。本コラムでは、私たちの実体験から得た失敗を避けるための5つのポイントを紹介します。
ポイント1:過度な期待を持たない
AIは万能ではない
AIは与えられた情報の範囲内でしか動作しません。「AIなら何とかしてくれる」という期待は禁物です。
✗ 間違った期待
「仕様書なしでもAIが良い感じに作ってくれる」
「バグがあってもAIが自動で直してくれる」
◯ 正しい認識
「明確な仕様があればAIは正確に実装できる」
「問題を正確に伝えればAIは適切に修正できる」
ポイント2:段階的に導入する
小さく始めて大きく育てる
いきなり大規模なシステムをAIで構築しようとするのは危険です。まずは小さな機能から始めましょう。
推奨する段階的アプローチ:
Phase 1: 単純な機能(1週間)
- ユーザー認証
- 基本的なCRUD操作
Phase 2: 複雑な機能(2週間)
- ビジネスロジック
- 複数テーブルの連携
Phase 3: 統合・最適化(1週間)
- 全体の統合
- パフォーマンス改善
ポイント3:ルールを先に決める
CLAUDE.mdの活用
プロジェクトのルールを事前に定義し、AIに常に参照させます。
CLAUDE.md に記載すべき内容:
1. コーディング規約
- 命名規則(スネークケース統一)
- ファイル構成のルール
- コメントの書き方
2. 技術スタック
- 使用言語・フレームワーク
- データベース仕様
- APIの設計方針
3. 禁止事項
- 使ってはいけないライブラリ
- 避けるべき実装パターン
ポイント4:人間のレビューを怠らない
コードを読まなくても確認はできる
コードを読まない開発でも、動作確認は必須です。
確認すべきポイント:
□ 機能要件を満たしているか
→ 仕様書通りに動作するか確認
□ エラー処理は適切か
→ 異常系のテストを実施
□ パフォーマンスは許容範囲か
→ 実際のデータ量でテスト
□ セキュリティに問題はないか
→ 認証・認可の動作確認
ポイント5:失敗を恐れない
試行錯誤は学習の一部
AI開発では、最初から完璧を求めないことが重要です。
健全な試行錯誤のサイクル:
1. 仮説を立てる
「この仕様でうまくいくはず」
2. 実装を依頼
「AIに実装してもらう」
3. 結果を確認
「期待通りか検証」
4. 学習する
「うまくいかなかった原因を分析」
5. 改善する
「仕様を修正して再挑戦」
まとめ:5つのポイント
- 過度な期待を持たない:AIは万能ではない
- 段階的に導入する:小さく始めて大きく育てる
- ルールを先に決める:CLAUDE.mdで規約を定義
- 人間のレビューを怠らない:動作確認は必須
- 失敗を恐れない:試行錯誤から学ぶ
これらのポイントを押さえることで、AI開発の成功確率は大きく向上します。
次回:「プロンプトエンジニアリングの基本」