Vol.18

既存基幹システムとAIを
連携する段階的アプローチ

System Integration

「基幹システムが古いから、AIは難しい」と聞きます。実際は逆で、古い基幹システムを抱えている企業ほど、段階的AI連携の効果が大きい。基幹刷新を待つ間にも、周辺業務の半分はAI連携で改善できます。3段階で進める実務アプローチと、経営者の判断ポイントをお伝えします。

「刷新してからAI」が遅すぎる理由

基幹システムの全面刷新には、通常2〜5年かかります。その間、AI活用を待つのは現実的ではありません。基幹刷新とAI連携は、並行で進めるのが鉄則です。並行で進めると、刷新後のAI活用も加速します。

しかも、基幹システムを直接改修しなくても、AI連携で改善できる業務は多いです。データ抽出経由で進める方法があれば、現状のシステムを変えずに着手できます。

3段階で進める連携アプローチ

段階1:データ取り出しの自動化

基幹システムから定期的にデータを取り出す業務を、まず自動化します。営業日報、月次レポート、在庫照会など、転記が多い業務が対象です。基幹システムには触れず、出力されたデータをAIに整形させる流れにします。3ヶ月で着手・完了できる範囲です。リスクが小さく、効果が見えやすい。最初の一歩として最適です。

段階2:判断支援の追加

段階1で取り出したデータをもとに、AIに判断支援を任せます。請求書の異常検知、在庫の発注提案、営業案件の優先度判定など。判断は人が行い、AIは選択肢と根拠を出す役割です。半年〜1年で運用が安定します。

段階3:書き込みの段階開放

基幹システムへの自動書き込みは、段階3で慎重に進めます。最初は小額・低リスクの取引から。誤動作が起きた場合の影響範囲を限定し、段階的に開放します。書き込みまで進めば、基幹システムを変えずに、業務フローが大きく変わります。

判断ポイントは2つだけ

読み取り中心・書き込みは段階的。この2原則で、基幹システムを変えずに業務改善が始まります。

経営者が判断すべきポイントは2つです。1つ目、どの業務から段階1を始めるか。転記が多く、効果が見えやすい業務を1つ選びます。2つ目、どこまで段階を進めるか。書き込みまで進めるかは、業務リスクと運用体制次第です。技術判断は専門部署に任せ、業務範囲とリスク許容度の判断だけ経営者が引き受けます。

経営者がまず取るべき3つのアクション

  1. 段階1の対象業務を1つ選ぶ。転記が多く、効果が見えやすい業務を1つ。3ヶ月で完了する範囲に絞ります。
  2. 基幹刷新とAI連携を並行で進める方針を出す。「刷新を待つ」は最も悪手です。並行進行を経営方針として明示します。
  3. 書き込み開放のリスク許容度を決める。金額の上限、件数の上限、対象業務の範囲。これは経営判断であり、現場任せにできません。

まとめ

基幹システムが古くても、AI連携は段階的に進められます。データ取り出し、判断支援、書き込み開放の3段階で、基幹システムを変えずに業務フローを書き換える。基幹刷新を待つ間にも、業務の半分は改善できます。「読み取り中心・書き込みは段階的」の2原則を守れば、リスクを管理しながら進められます。

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よくある質問

古い基幹システムでもAI連携は可能ですか?
可能です。直接の改修が難しくても、データ抽出経由での連携で多くの業務が自動化できます。基幹刷新を待つ必要はありません。
基幹刷新と並行して進めるべきですか?
並行が現実的です。基幹刷新は数年かかる前提で、その間に周辺の業務をAI連携で改善します。並行することで、刷新後のAI活用も加速します。
どの業務から連携を始めるべきですか?
基幹システムからのデータ取り出しと、転記が多い業務から始めます。営業日報、請求関連、在庫照会などが典型的です。
セキュリティ面の懸念は?
基幹システムへの直接書き込みは慎重に判断します。読み取り中心、書き込みは段階的、を原則にすればリスクは管理可能な範囲に収まります。
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